韓国・水原の弁護士会等視察

神奈川県弁護士会の国際交流委員会について行き、11月の末に韓国の水原市の弁護士会、裁判所及び検察庁を訪問しました。韓国では、電子訴訟が進んでおり、書面の提出ができる他、Docket情報もネットを介して確認できるなど、日本ではまだ実現されていないICT化が進んでいます。その内容を伺ってきました。

例えば、尋問調書は、日本では少なくなった速記官が活躍しており(この点は米国も同様です)、電子的に調書ができるので、翌日には当事者が閲覧できるということでした。日本では調書ができるまでに数週間かかっていますから、まさに雲泥の差です。大学の教え子のブラジルの学生に聞いても、訴訟手続きの電子化については、ほぼ同様の状況のようです。

日本が先進的だったのは、せいぜい2000年代前半で、その後は、電子決済などを見ても、じわじわと後塵を拝しているように思います。例えば、裁判所を訪ねた時、中で写真を撮るのは米国でも韓国でも「自由」でした。しかし、日本では禁止されており、容易に写真を撮ることができません。単に手続きを電子的にするのではなく、オープンで自由なマインドを持つことが、ICT導入のミソであることは忘れてならないように思います。

2018年12月05日